2023.12.15
平屋の名建築3選!
みなさんは、一度は見てみたい建物や、印象に残っている建築物はありますか?
世界、そして日本国内には美しい建築、思わず目を引かれるユニーク建築が数多く存在し、多くの人の心を動かしています。
そんな中でも今回は、実際に訪れてその世界観にひたってみたくなる、著名な建築家が手掛けた平屋の名建築をご紹介していきたいと思います。
ファンワーズ邸(1950年)
シカゴから西へ80㎞ほど進んだ、プラノという街の緑豊かな場所にあるファンズワース邸。
世界一美しいと言われる建築のひとつ「ファンワーズ邸」は、鉄骨の骨組みで全面ガラス張りのワンルームの平屋です。
近くを流れるフォックス川の氾濫に備えて1.5mほど床を持ち上げた高床式の建築は、まるで森のなかに浮いているようにも見えるファンズワース邸。建築したのは、近代建築の三大巨匠のひとりとして名高いドイツ出身の建築家 ミース・ファン・デル・ローエ(1886~1969)です。
ファンズワース邸にはミースの住宅に対する思想であるユニバーサル・スペース(内部を柱や壁などで限定せず、どのような用途にも対応できる空間)が盛り込まれており、このユニバーサル・スペースの概念は現代のオフィスビルのモデルとなっているといわれています。
自由学園明日館(1921年)
アメリカの建築家、フランク・ロイド・ライト。ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエとともに近代建築の三大巨匠と呼ばれる世界的に著名な建築家です。世界遺産として登録されている建築作品も手掛けているフランク・ロイド・ライトが、日本で築き上げた建築のひとつが東京都豊島区の西池袋に所在する「自由学園明日館」。19970年に国の重要文化財に指定された、歴史ある建物です。
自由学園明日館の設計には、高さを抑えて水平線を強調した「プレイリースタイル」、窓やドアなどに多用されている幾何学的デザイン、床の高さを少しずつ変えた部屋を連続させて空間構成など、ライトを象徴するデザインが用いられています。屋内外の床や柱に大谷石が多く使用されているのも、日本におけるライト建築の特長のひとつです。
現在は、「使いながら保存する文化財」として、見学の他、結婚式やコンサート会場として人気を集めています。
聴竹居(1928年)
京都と大阪の府堺にある大山崎町に、昭和の名建築「聴竹居」があります。建築家・藤井厚二(1888-1938)が、日本の気候風土に適した住宅を求めて昭和3年(1928)に建てた5回目の自邸で、地震に強く通風・換気に優れた、“日本の住宅の理想形”ともいわれています。
聴竹居は夏の蒸し暑さ対策、木造平屋で可能な限り建物サイズは小さく、家族の居住空間の快適さ、椅子式生活に畳式生活を併用、8人の人間が快適に住むのに十分な大きさ、の5つをコンセプトに設計されています。
昭和初期とは思えない機能美を備え、現代にも取り入れたいアイデアが随所に盛り込まれている聴竹居は、2017年、建築家が昭和時代に建てた住宅として初めて国の重要文化財に指定されました。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ずっと昔に建てられてから現代まで、多くの人に愛されたことで残り続け、時代が変わってもたくさんの人たちに影響を与えて続けている名建築。気になる建築がありましたら、ぜひ一度足を運び体感してみてはいかがでしょうか。