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2023.10.20

生活を彩る光の効果(後編)

照明器具を選ぶ際、そのバリエーションの多さにどのような視点で選べばよいか迷ってしまうことは多いのではないでしょうか。

生活を彩る光の効果(前編)でご紹介した照明の基礎知識に合わせて、照明器具の特長を知っておくと、ただお部屋を明るく照らすだけでなく、目的や出したい雰囲気にあわせて光で空間をコーディネートすることができます。
それぞれの照明器具がどのような光を生み出すのか、その特性を知り自分らしい照明演出を楽しんでみましょう。

器具別の配光特性

光はわたしたちの心や身体にも大きく影響を与えます。光が変化するだけで集中力が高まったり、気持ちが落ち着いたり、そこにあるものがハッキリと綺麗に見えたりするのです。

また、空間に適した明るさや照明器具を選ぶことは、その家で暮らす人の安全や、目の健康を守る事にもつながっていきます。

まずは照明器具が生み出す光の特性(配光特性)から知っていきましょう。

◆全般拡散配光・・・光源から出た光が全方向に広がる配光。

          まぶしさや陰影を抑えた柔らかい光で空間を均一に照らし、暖かみのある雰囲気を演出します。

◆直接配光・・・光源から出る全ての光が直接下に向かって照射する配光。

        照らしたい所をピンポイントで照らせる反面、天井や部屋のコーナーが暗くなりがちです。

◆半直接配光・・・大半は光の下方向へ、一部が上方向へ照射される配光。

         直接配光に比べて陰影がやわらかく、空間に中心感をつくります。

◆半間接配光・・・光源からの光がほとんど天井や壁面に反射し、一部の光がカバーを通して下方向を照射。

         光が直接目に入らず、ソフトな雰囲気を作り出します。

◆間接配光・・・すべての光を天井面や壁面にあてて、反射光のみで空間を照らします。

        まぶしさのない光で落ち着いた雰囲気を演出し、天井を高く見せる効果もあります。

天井高さと照明

照明は各部屋の用途や広さ、内装材の色や材質、インテリアとの調和を考慮しながら、どこにどんなあかりをもってくるかを考えていきます。
デザインももちろんのこと、それに合わせて必要な明るさや光の色や方向性、部屋とのサイズバランス、空間への演出効果などを含めて選んでいきましょう。

天井を照らす間接照明(コーブ照明)

コーブ照明とは、折り上げ天井の内部に照明を設置して、天井を光らせることで照明にする方法です。直接光源をみなくて済むので、まぶしさを感じずに部屋を明るくすることができます。
高い天井で光を遠くまで届けたい場合は中角タイプ(35°)、水平方向に光を届けたい場合は一方向に偏光した斜光タイプ(50°)、光をやわらかく広げたい場合は散光タイプ(65°)と使い分けます。

空間の天井の高さや、照明器具と天井面との開口寸法、また幕板(照明を隠すための目隠しとなる板)の高さによっても光の伸び方は変化するので、空間に合わせた器具選びが空間演出のポイントとなります。

空間全体に開放感や広がりを与え、リラックスしたムードが生まれるコーブ照明。寝室で使うと落ち着いた雰囲気で安眠にもつながるでしょう。

ダウンライト
空間のベース照明として一般的に使われているダウンライト。主に直径が10㎝程のものが多く使われていますが、天井が高くなれば照度を保つためにより大型の器具が必要になります。
ソケットタイプのダウンライトは光源の入れ替えが可能なので、天井高に合わせて適したものに変更すれば天井高の異なる空間でも開口径を統一することができ、器具を目立たせず光を届けることができます。
また天井の低い場所は、まぶしさを取り除いた商品(グレアカット)の製品などを採用すると、強い光が目に入りにくくなります。

家族の多目的空間となるリビングは、さまざまなシーンに対応できるよう、空間全体を照らす主照明に加え、ダウンライトやブラケットなどの補助照明も組み合わせた多灯使いにして、目的に合った最適な光が演出できるようにしましょう。
また小さなお子様が利用するお部屋ですと、小学校低学年位まではまだ視力も定まっていないので、明るく影のできにくい照明が最適です。デスクワークをする際にはチラツキの無いインバータ器具のデスクライトで光を補うとよいでしょう。

まとめ

ライフスタイルや家族構成によっても選ぶべき照明器具は変わってきます。どれくらいの明るさが必要で、どのような効果や雰囲気を出したいのか、今回の内容も参考にイメージに近い照明器具や光源、配置する位置を考えていただけたらと思います。お家時間がさらに好きになる心地よいあかりを見つけてみてくださいね。